白鳥になったアヒルの子は、その後どうしたのでしょう。<創作童話>
白鳥:「えっ、・・・・僕、・・・・僕、・・・・白鳥、・・・・白鳥だったんだ。わあーい、わあーい、・・・・僕、白鳥だったんだ。」
白鳥:「そうだ・・・・。白鳥になった僕をママに見てもらおう。ビックリするだろうなあ・・・・。」白鳥は、アヒルの池へ飛んでいきました。
(アヒルの)子供達:「あれっ、白鳥が降りてくるぞ・・・・。」「ママ―、白鳥さんがきたわよー。」
白鳥:「やあ、みんな・・・・、久しぶりだね・・・・。みんなにいじめられていた僕だよ。」
子供達:「えっ、しらないよ。」「白鳥さんとあそんだことなんてないもん。」
白鳥:「ママはわかるよね。僕、白鳥になったんだよ。」
ママ:「さあ、どなたでしょう・・・・。白鳥さんとお話しすることなんてはじめてよ。」
白鳥:「やだなあ。僕の声、覚えてるでしょ。ほら、僕だけみにくかったママの子だよ。」
ママ:「・・・・!・・・・、何を言われても、知らないものは知りません・・・・。そんなことより、この池のまわりには人間も住んでいますよ・・・・。人間に見つかりでもしたら、囚われてしまいますよ。」
白鳥:「ママ、忘れちゃったの・・・・、僕だよ、僕だってばあ・・・・。」
ママ:「白鳥さん、早くお行きなさい。人間に囚われたら、白鳥さんが探してるママは、きっと悲しみますよ・・・・。さあ、行くのです。」
白鳥:「わかったよ・・・・もういいよ、行くよ。おばさん、いつまでも・・・・いつまでも元気でね。さようなら。」白鳥は大粒の涙をこぼしながら大空に飛び立っていきました。
ママは心の中で「ぼうや、これからもくじけずに生きていってね。」とつぶやきました。そして、白鳥の姿が見えなくなるまで、ずっと見送っていました。あふれんばかりの泪をためて・・・・。
ムジカ