2019年8月31日土曜日

どこまで行っても宇宙♪、どこまで行ってもマネーと匠の技

 最近アメリカや中国、日本も月へ行くぞ、
宇宙へ行くぞと盛んに景気よく息巻いていますね。
なにをするにも先立つものはまずお金なんですが、
前にお話しした狂人的発想の東京バベルタワーの
建設資金を笑えない、そんな超莫大な大金を
各国はどこから潤沢に捻出してくるつもり
なんでしょうかね?

  さて、みんな行きたい宇宙行き、困った壁が2つあります。
 無論、とてつもない大金がかかるということが壁その1です。
使える宇宙服を一着用意するのに服単体で約1億円。
 各飛行士の体形に合わせたパーツを一つ交換するのに
約220万円でトータルすると大体1億6700万円。

 そして大事な生命維持システムが約10億5000万円
かかるそうで、さらに何十という厳しい試験を
くぐりぬけた飲料水バッグ、通信用ヘッドセット、
温度調節バルブ、冷却下着ete…を加えていくと
1着最低13億円程度はかかることが予想されます。
 仮にアポロで3名飛ばしているので持っていく予備を3着、
訓練用に3着として計9着だとすると…!!

 さらに、壁その2がやっかいで、宇宙服の中は
厚さが違う薄い布を14層重ねて丈夫にしてあって
実は腕のいい叔母さんたちが手縫いの裁縫で作ったもの
だそうです(笑) 
 そうしないと厳しい必要基準を満たせないようで、
現在、作業は再現できても、一番大事な当時の
裁縫技術の継承ができていないため、作れないという
苦しい事情があります。
 技術や技法は師匠から弟子へ、口伝で継承されたり、
自分で工夫したり体得して苦しんだ末、会得した
勘や経験が必要だったりするので、お金を積んだり
ロボットで機械縫製をしてもどうにもならないところが
難しいところです。
 おかげで40年以上前の老朽化したアポロ時代の宇宙服を
いまだに修繕しながら使い回しているため、国際宇宙ステーションの
作業でロシアに宇宙服を借りながら作業をしなくてはいけない
こともあるという切羽つまっている状況です。
 みんな大好き 宇宙行き、前途多難です。

※ちなみにアポロが月行くまでに必要だった計画書や
予算請求書など必要書類を積み上げていくとその上に
乗っていれば、アポロで行く前に月に着けるという
くらいとてつもない枚数になったそうです。
服一つでこれでは、そりゃあそうなりますね。
(※当時のソビエトに対抗するため予算無制限だったのが
並行していたベトナム戦争の影響で予算が縮小して厳しく
なったのも理由の一つ)

byたかにゃん